OE Studio
手術プランニング 操作マニュアル

外科手術併用矯正治療のための機能です。術式ごとのカットラインを患者の骨に合わせ、骨をカットして遠位骨片・近位骨片などを別々の部品として保存します。マスターのみが使用できます(一般ユーザーの画面には表示されません)。

この機能は手術のシミュレーションです。実際の術式・骨切り線・移動量の決定は、担当する口腔外科医の判断によります。本ソフトが出す数値(下歯槽管までの距離など)は設計上の参考値であり、臨床判断の代わりにはなりません。

準備 — 骨のデータ

骨は STL で取り込み、上顎は「頭蓋」、下顎は「下顎骨」として指定してください。カットする骨は術式から自動で決まります(上顎骨の術式 = 頭蓋 / 下顎骨の術式 = 下顎骨・v23.423)— 決定された部品名は術式の下に常時表示されます。

下歯槽管(Canal)が入っていると精度が上がります。下顎孔とオトガイ孔をこの管の端から直接読み取るため、ランドマークの誤差がほぼゼロになります。さらに、刃と管の距離を自動で監視できるようになります。上顎洞(Sinus)が入っていても支障ありません。
管が入っていない STL でも進められます(その場合は残りの点でフィットします)。

画面の場所(工程バーの Surgery)

画面左の工程バーの「Surgery」を押すと、手術プランニングのパネルが開きます(マスターにだけ表示されます)。パネルは上から順に 術式・ライブラリ → ① ランドマーク → ② フィット → ③ 調整 → ④ カット → ⑤ 骨片の移動 → ⑥ オートローテーション と並んでいます(ライブラリは v23.423 で術式の直下へ移設)。

パネルはコンパクト表示です(v23.421): 長い説明文は見出しにカーソルを載せるとツールチップで出ます。見出しをクリックすると、そのセクションを折りたたみ / 展開できます。開いたときは全セクションが開いた状態で始まり、設定が済んだ部分はご自身で閉じてください(v23.429 — 閉じた状態は画面の再読み込みで元に戻ります)。閉じたセクションの見出しは青いボタン状の表示になり、クリックすればいつでも開けます。🔰 初心者モードが ON なら、主要ボタンにカーソルを合わせると図解アニメ付きのガイドが出ます(他の Tool と同じ仕組み)。パネルはタイトル部分をドラッグして動かせます。 で最小化、× で閉じます(閉じると Import 工程に戻ります)。操作マニュアル(本書)はヘッダーの − × の左にある 📖 ボタンから開けます(v23.423)。ほかの工程に移ると自動的に閉じ、Surgery を押し直せば続きから再開できます。

+術式追加 — 同じ顎への複数カット(v23.458)

同じ顎に複数のカット(例: SSRO + オトガイ形成)を行う場合は、「+術式追加」ボタンで術式をもう 1 本追加できます。追加した術式は術式欄の下にチップの一覧として並び(2 本以上ある時だけ表示)、クリックで切替(●が作業中 — カット・調整はこの術式に対して実行されます)、✕ で一覧から外せます(カット済みの骨片・履歴は残ります)。ランドマークは顎で共有されるので打ち直しは不要 — 追加後にプルダウンで術式を選ぶと共有ランドマークで自動フィットします。「対象の骨」の表示は術式の右側に移り、一覧に 1 行使えるようになりました。追加分もプロジェクト保存に含まれます。

上顎 / 下顎の切替と術式の複数登録(v23.457)

パネル最上部の「上顎」「下顎」ボタンで顎を切り替えます。顎ごとに 術式 + カットライン + フィットが独立して保持されるため、上下両顎の手術(Le Fort I + SSRO など)を同時に登録したまま行き来できます。切替中はその顎の術式・ランドマーク・骨・カットラインだけが表示され(反対顎の骨・骨片は一時非表示 — 切替か目のアイコンで戻ります)、術式プルダウンもその顎に絞られます。ランドマークはさらに圧縮され、すべての項目が「◯ + 名前」のユニットとして 2 列に並列します。左右ペアは ◯ 1 個に集約 — 左右両方が設定されると ●(青丸)、片方だけは ◐ です。◯のクリックで未設定側から打点でき、両方未設定なら左 → 右 の連続打点になります(Esc で中断)。パネルの既定表示位置も画面上部(top 56px)へ上げ、タブ内でスクロールせず収まるようにしました。

3 タブと連番(v23.456)

パネルは3 つのタブ(シェル設計・バー設計と同じ形式)になりました: ①-③ カット(ランドマーク → カットラインを調整 → カットする)/ ④-⑤ 移動(骨片を動かす → 下顎のオートローテーション) / ⑥-⑧ 製作(カッティングガイド → サージカルスプリント → STL出力)。工程見出しは①〜⑧の連番で大きく表示され、クリックで開閉できるのは従来どおりです。「ライブラリ(登録した術式)」の見出しは術式欄と統合され、術式登録 / ライブラリ / 履歴 のボタンが術式の直下に並びます。⑧ STL出力では、カッティングガイド・スプリント・模型(骨片)・上顎骨・下顎骨をその場で STL ダウンロードできます(複数あれば連続ダウンロード・移動後の骨片は移動後の位置で出力)。

操作の再構成(v23.453)

パネルを臨床の手数に合わせて短くしました。ボタン名: 今のカットラインを登録 → 術式登録 / 登録済みを開く → ライブラリ / カットの記録を開く → 履歴オリジナル術式の作成は術式プルダウンの一番下「✚ オリジナル術式作成」から始めます(ボタンは撤去)。ランドマークの左右ペアは「名前 ◯左 ◯右」の 1 行にまとまり(v23.454)、(任意)は先頭・「(管から)」などの補足はツールチップに移りました。①で必須の点が揃うと自動でフィット + カットラインのプレビューが走るため、②「骨に合わせる」の項目はなくなりました(大きさは既定で「合わせる」)。反対側へのコピーはビューワーで刃を右クリック → メニュー「反対側へコピー」Shift+クリックで全体を選択です(対象プルダウンとミラーボタンは撤去)。③は刃厚・左右連動・調整表のみ。④は「深さ自動」チェックが消えましたが動作は従来の自動のまま(履歴を開いた時は記録の確定値)で、ボタンはカットに短縮されました(刃は常時プレビューされるため「刃をプレビュー」も撤去)。

操作の流れ

1術式を選ぶ

「術式」で行う手術を選びます。術式は上顎骨の骨切り(Le Fort I / 口蓋正中側骨切り / Wassmund)と下顎骨の骨切り(SSRO / IVRO / Kole 法 / オトガイ形成術)に分かれ、選ぶとカットする骨も自動で決まります(「対象の骨」の選択欄は v23.423 で廃止 — 決定結果は術式の下に表示されます)。SSRO・IVRO・口蓋正中は左右 2 本の刃を持つ 1 つの術式です(口蓋の左右は v23.423 で統合)。左右の刃は「対象」で片側ずつ調整でき、「反対側へミラー」で写せます。★ 付きの項目はライブラリから「術式に登録」した自分のカットラインです。

Kole 法はカットライン未登録の術式です — 選ぶと案内が出ます。ライブラリに登録した形状を「術式へ」で載せてお使いください。

Le Fort I 型骨切り術上顎 / 左右なし
矢状分割骨切り術(SSRO)下顎 / 左右 2 本の刃(旧 BSSO 左右を統合)
垂直骨切り術(IVRO)下顎 / 左右 2 本の刃(下顎枝の垂直骨切り・v23.417 新設)
オトガイ形成術下顎 / 左右なし
口蓋正中側骨切り上顎 / 左右あり
Wassmund 法上顎 / 左右なし(6 本の刃で構成)
2ランドマークを置く

「ランドマークを自動検出」を押すだけです。骨の形と下歯槽管から自動で置かれます(1〜2 秒かかります)。

置かれた点は青い球で表示されます。点の上で右クリックするとロック(グレー表示)でき、ドラッグ・打ち直し・自動検出の上書きが効かなくなります。ロックは全点連動です — どれか 1 点を右クリックすれば全部の点がまとめてロック、もう一度右クリックすれば全部まとめて解除されます(v23.415)。点にカーソルを載せると名前が表示され、ドラッグ中も名前がカーソルに追従します(v23.419 — どの点を動かしているかが常に分かります)。青い球はそのまま掴んでドラッグで骨の上を滑らせて直せます(ボタン操作は不要)。一覧は「○ 名前」の形式です(v23.423): ○ = 未設定・青● = 設定済みで、○(●)をクリックするとその点の打点待ちになり(打ち直しも同じ操作)、名前をクリックするとその点へ視点が移動して行が選択されます。「選択消去」は選択中の点を消し、「全消去」は全部消します。点は骨の死角に入ると見えなくなります(v23.423 — 裏側の点が透けて混乱しないため)。名前をクリックすると、その点が実際に見える向きまで視点が回り込み、周囲およそ 40mm 四方が画面に収まるまで寄ります(v23.424 / 幅は v23.425 で 25→40mm)。裏側の点でも一度のクリックで正面に出るので、そのまま掴んでドラッグできます。すでに見えている点なら向きは変えず、寄せるだけです。骨の内部などどこからも見えない位置にある場合は、その旨を案内します。

上顎(17 点)ナジオン (Na) / セラ (S) / A点 (A) / 上顎中切歯間 歯槽頂 / 前鼻棘 (ANS) / 後鼻棘 (PNS) / 上顎中切歯隣接面 / 眼窩下縁 (Or) 右左 / ポリオン (Po) 右左 / 梨状孔 外側縁 右左 / 上顎結節 右左 / 上顎第一大臼歯頬側近心咬頭頂 右左
フィットに使う必須は 6 点(ANS・梨状孔 右左・歯槽頂・上顎結節 右左)。残りは計測・基準平面用
下顎(14 点)下顎中切歯隣接面 / B点 (B) / ポゴニオン (Pog) / メントン (Me) / 顆頭最上点(ヒンジアキシス)右左 / 下顎角(Go)右左 / 下顎第一大臼歯頬面溝 右左 / 下顎孔 右左 / オトガイ孔 右左
フィットに使う必須は 5 点(メントン・顆頭 右左・下顎角 右左)。管由来の 4 点は管が入っていない STL では省かれます

太字の 4 点は下歯槽管から読み取るため、管が入っていない STL では省かれます。残り 5 点でフィットは成立します。

正中の点は断面の上に打てます(v23.489・先生ご提案)。ナジオン・ANS・PNS・A点セラ・歯槽頂・メントン・B点Pog は正中に打つ点なので、○ をクリックすると正中矢状面の断面が自動で出ます。断面の切り口をそのままクリックすれば、骨から浮いた位置にも打てます — トルコ鞍の中心(セラ)のように骨面に無い点は、この方法でしか正確に打てません。面の上に採るため左右のずれが原理的に 0 になり、正中の点の精度も上がります。断面は打ち終えると自動で片付きます(先生ご自身が断面ツールを使っている間は触りません)。正中面は②の基準平面「正中面」を設定していればその向きを使い、無ければ左右ペアのランドマークから決めます。
上顎結節が入っている理由。ANS・梨状孔・歯槽頂の 4 点はほぼ同じ平面に並んでいて、それだけだと骨の奥行き方向の向きが決まりにくく、わずかな誤差が大きなずれになります。面から離れた上顎結節を加えることで、下顎と同じ安定性になります。
3骨に合わせる(自動フィット)

「自動フィット」を押すと、ランドマークからカットラインの位置・向き・大きさが決まります。「大きさも合わせる」を外すと、回転と移動だけ(原寸のまま)になります。

結果は欄に「フィット完了: N 点 / 残差 ○mm / 倍率 ○」と出ます。

次の警告が出たら、進める前にご確認ください。
残差が 3mm を超える … ランドマークがずれている可能性があります
倍率が 0.8 未満または 1.25 超 … 左右が入れ替わっている可能性があります

ガムボールは廃止しました(v23.430・先生ご指示)。自動フィットが終わると、そのまま直接ドラッグでカットラインを調整できます — 矢印・回転リング・サイズボタン・基点・数値入力の類は一切表示されません。

ドラッグ中は赤いプレビューがその場で追従し、離した瞬間に確定します。動かせない方向や限界(可動範囲の端・長さ / 深さの下限 0.5mm)に当たると、その場で止まり警告が表示されます — 黙って止まることはありません。「深さ自動」が ON のときに角を掴むと自動を外し、見えている実測の形から編集を始めます(④で戻せます)。面単位の回転Ctrl+ドラッグでできます(中心 = 掴んだ位置)。カットライン全体の回転操作はありません — 向きは ② の自動フィット・面の Ctrl+ドラッグ・紫の辺(蝶番)・③ の数値・ミラーで合わせます(全体回転が必要でしたらお知らせください)。

カットラインの変更はすべて Ctrl+Z で戻せます — 直接ドラッグの 1 回・数値表の 1 変更・自動フィット・ライブラリの読み込みが、それぞれ 1 手として積まれます。

4カットラインを調整する

「③ カットラインを調整」に、辺の長さと角の折り曲げ角度が数値で並びます。入力すればその場で刃の形が変わります。左右対称の術式(Le Fort I・SSRO・IVRO・口蓋・オトガイ形成・Wassmund)では、左|右 の 2 列の表で表示され(v23.427)、「左右をミラーで連動」(既定 ON)のあいだは片側の数値を変えると反対側にも同じ値が入ります(Undo は左右まとめて 1 手)。OFF にすれば左右を別々に調整できます。1 本の刃が左右対称な術式(Le Fort I・オトガイ形成)では外側の辺どうし(例: 辺 3・1)が対になり、中央の辺は 1 列で表示されます。角の可動範囲は入力欄にカーソルを載せると出ます。オリジナル術式・ライブラリ・上書き登録形状は対称の保証が無いため、従来どおりの一覧で表示されます。

辺 N 長さ (mm)その辺を伸縮します。角度は変わりません。正中の中央の面は固定され、外側だけが伸び縮みします。
辺 N 刃厚 手前 / 奥 (mm)その辺だけの切削幅です。「手前」= ANS 側(Le Fort の前方)、「奥」= PNS 側(後方)。空欄の手前は共通の刃厚(④)、空欄の奥は手前と同じです。手前と奥を変えると、ANS 側は薄く PNS 側は厚い「くさび状」のカットになります(v23.412 で効きの向きを実機に合わせて修正)。厚みの違う辺は折れ目で滑らかにつながります。
角 N 折り曲げ (°)その角の曲がり具合を変えます。辺の長さと、ほかの角は変わりません。正中の中央の面は固定され、外側の面だけが回ります。

欄にカーソルを置くと、3D 上の対応する角が黄色く大きく光ります。どの角を触っているか迷いません。

「可動範囲 ○〜○°」の意味。角は折れ線の稜線を軸に回るため、その軸まわりで作れる角度には限りがあります。範囲外の数値を入れると変更されず、その旨をお知らせします(黙って別の角度になることはありません)。
断面(クリッピングプレーン)ではカットラインも半分だけ切れます(v23.418)。断面ツール ON の間、カットライン(赤い刃・黒縁・ハンドル)は骨と同じように断面平面でクリップされ、平面の手前半分だけが非表示になります。断面を動かせば追従し、断面 OFF で全体が戻ります(データは消えません)。
Space キーで断面を巡回できます(v23.428)。シェル / バー / ブラケットベース / 手術のどの場面でも、Space を押すごとに 断面 ON(水平 = 咬合平面)→ 左右を分ける → 前後を分ける → 解除 と巡回します(従来の断面ボタンもそのまま使えます。ブラケットベースの塗り中だけは Space =「次の歯」が優先)。手術工程では、断面の平面とカット面(刃)が交わる線が赤いシルエットで表示され、骨の中での刃の通り道を断面上で確認できます。
5刃厚を確認してカットする

刃厚(切削幅)の既定値は 1.0mm です(v23.423)。骨鋸やバーの刃の厚みにあたる値で、この幅の分だけ骨が失われます。症例に合わせて毎回ご確認ください。未入力または 0 以下では実行できません。

「深さを自動で決める」は既定でオンです。骨の形から必ず貫通する深さを計算するので、骨の厚い症例で切り残しが出ることがありません。オフにするとテンプレートの深さをそのまま使います。

「刃をプレビュー」で赤い半透明の刃が表示されます。このとき下歯槽管までの距離が下に出ます。

通常表示5mm 以上 — 余裕があります
橙色2〜5mm — 近づいています
赤色「⚠ 接近しています」2mm 未満 — 位置をご確認ください

「カットして骨片を保存」で実行します。

カットの結果

骨片は術式ごとの規則で自動的に名前が付き、別々の部品として保存されます。

BSSO下顎_遠位骨片 / 下顎_近位骨片_左 / 下顎_近位骨片_右
Le Fort I上顎_可動骨片 / 上顎_固定側
オトガイ形成術オトガイ骨片 / 下顎体部
口蓋・Wassmund分節 1 / 分節 2 …(左から順に)

切ったものは削除されず、非表示になって残ります。部品リストの目のアイコンでいつでも戻せます。Ctrl+Z 1 回で、骨片の追加と非表示がまとめて取り消されます。

同じ顎で 2 回目の術式(v23.494)。SSRO のあとにオトガイ形成術、のように同じ顎を続けて切るとき、2 回目は元の骨をもう一度切るのではなく 1 回目でできた骨片のうち刃が通るものを切ります(SSRO 後のオトガイ形成術なら遠位骨片。近位骨片には手を付けません)。下顎骨まるごとの骨片が 2 組できて重なる「2 重のデータ」になりません。何を切ったかは実行後に「対象: ◯◯ → 骨片 N 個」と表示されます。

カットラインは部品「カットライン: 術式名」として構成へ保存されます(既定は非表示)。カット後の画面には赤いプレビューもハンドルも残りません。目のアイコンでいつでも表示でき、折れ線の数値ごと部品に記録されます。Ctrl+Z では骨片と一緒に取り消されます。記録は実際にカットへ使った深さで残り(v23.439 — 深さ自動 ON なら実測値)、ライブラリの「カットの記録を開く」でいつでも編集へ戻せます(複数あれば最新の記録を開きます)。

歯・下歯槽管・上顎洞などの別シェルは、独立した骨片にはなりません。骨片として数えるのは骨本体だけです。これらのシェルも刃でカットされた上で最も近い骨片へ自動で引き継がれるので、歯は骨片と一緒に表示され、⑤の移動でも骨片と一緒に動きます。何個引き継いだかは実行後に欄へ表示されます。

途中作業の保存(v23.439)

①のランドマークと②③の編集中カットラインは、プロジェクトの「保存」に含まれます。保存して閉じても、そのプロジェクトを開き直すと同じ状態(術式・深さ自動・フィット・オリジナル術式の作成途中も含む)が復元され、続きから編集できます。患者を切り替えると手術パネルは毎回まっさらに戻ります(前の患者のランドマークやカットラインが持ち越されることはありません)。

ライブラリ(登録した術式)— 術式の直下

調整したカットラインは「今のカットラインを登録」で保存でき、「登録済みを開く」で呼び出せます。登録名は術式名 + 日時で自動で付きます。サーバーが古く外科スコープが無い場合(「bad scope」)は、自動的にユーザーライブラリの「外科カットライン」カテゴリへ保存します — 恒久対応は「標準版をアップデート」でサーバーを更新してください(ダイアログは出ません — 環境によって入力ダイアログが無効化され、押しても何も起きない不具合の根治です)。折れ線の数値ごと保存されるので、開いたあとも角度や長さを続けて編集できます。「深さを自動で決める」の状態も一緒に保存され、開くと同じ状態に戻ります(v23.438)。「開く」は保存した位置のままの復元(同じ症例用)です — 別の症例では骨から離れて表示され、その場合は案内が出ます。別の症例に載せるには「術式へ」で ★ 登録し ② 自動フィットをお使いください。「カットの記録を開く」は ④ カット時に構成へ自動保存された記録を編集へ戻します(v23.439)。

名称変更・術式への登録・既定(v23.417)。一覧の で名称を変更できます(その場で入力 — ダイアログは使いません)。「術式へ」を押すと ★ 付きで「術式」プルダウンに載り、別の症例でも ① ランドマーク → ② 自動フィットでその形がその患者の骨に合います(登録時にフィットの逆変換でテンプレート座標へ戻した形も保存する仕組み。v23.416 以前の登録にはこのデータが無いためボタンが出ません — もう一度「今のカットラインを登録」で付きます)。★ 付き項目の「☆既定」を押すと、パネルを開いたときに最初から選ばれる術式になります(もう一度で解除・この設定はこの PC のブラウザに保存されます)。

このライブラリは通常の「既製品」「ユーザー制作」ライブラリとは分かれています。マスターが登録した術式(★)・形状は全ユーザーが使用できます(開く・フィット — 編集・削除は登録者かマスターのみ)。各ユーザーの登録は本人とマスターだけに表示されます(v23.442)。

オリジナル術式の作成(v23.426)

テンプレートに無いカットラインを、サーフェス(面)を組み立てて自分で作れます。ライブラリの下の「オリジナル術式を作成」から始めます。

面を置くボタンを押して骨の上をクリックすると、その位置に面が 1 枚置かれます(レールは骨面に沿って左右方向・深さは骨の中へ)。離れた場所にもう一度置けば、別の刃(Wassmund のような複数刃の術式)になります。
面を継ぎ足す置いた面の端に出る緑の辺をクリックすると、その外側へまっすぐ続きの面が 1 枚足されます。折り曲げは、③ の角の数値か、隣接する紫の辺を押し引きして変えます(v23.430 — 水色の柱は廃止)。
形の調整長さ・辺ごとの刃厚は ③ の数値。■(橙)の角(全 4 隅)= 面内サイズ(長さ・深さ)/ 紫の辺 = 面の移動(折れ角も蝶番で追従)。面の移動・回転はドラッグ / Ctrl+ドラッグ、全体や刃ごとの移動は Shift+ドラッグ(② の操作系そのまま)。Ctrl+Z で 1 手ずつ戻せます。
面の削除Ctrl+Shift+クリックで面を選んで「選択した面を削除」。端の面はその分短くなり、中間の面を消すと刃は 2 本に分かれます。「対象」で刃を選んでいるときは、その刃ごと消えます。
平行モード左右の辺を平行」= 各面の深さ方向の辺を揃えます。「上下の辺も平行」= 深さも揃え、骨面側と深部側の辺が平行になります(左右の平行を含みます)。チェック中は折り曲げ・長さ変更・● のドラッグをしても平行が保たれます。
登録登録先を「新しい術式として(★)」にすると、名前を付けて術式プルダウンに載ります。「IVRO へ上書き」「Kole 法へ上書き」を選ぶと、その術式の形状が作った形に置き換わります(ライブラリの項目を削除すれば組み込みの形に戻ります)。登録には ① のランドマークが 3 点以上必要です — 形はランドマーク基準系との相対で保存されるため、別の患者でも ① ランドマーク → ② 自動フィットで同じ形が自動復元されます(そのあと手動微調整できます)。

④ 骨片を動かす(移動シミュレーション・タブ「④-⑤ 移動」)

移動量の計測(v23.460) — 「+計測点」で骨片の表面に点をプロットできます。点は骨片と一緒に動き、表にはプロット時の位置からの変位が患者軸(左右・前後・上下・距離)で実測表示されます — 数値・ガムボール・オートローテーション・咬合スナップ・Undo のどれで動かしても即更新されるので、数値の変化を見ながら最終的な骨の位置を確定できます。名前は ✎ クリックで変更(歯種名など)、✕ で個別削除、点はプロジェクト保存にも含まれます。なお「対象の骨」の表示は骨名のみ(【頭蓋】/【下顎骨】・(術式から自動選択)の表記は撤去)になりました。

カットして骨片ができたら、パネル下部の「⑤ 骨片を動かす」で数値を入れて動かせます

動かす骨片カットで保存された骨片が並びます。選ぶと、その骨片に記録済みの移動量が入力欄に戻ります。
前後 / 上下 / 左右 (mm)前方 +・上方 +・患者右 + です。マイナスを入れれば反対方向へ動きます。
前後の傾斜 / 左右の傾き / 左右へのふり (°)回転はすべてその骨片の重心を中心に起こります。前後の傾斜は + で前方が上がり、左右の傾きは + で患者右が上がり、左右へのふりは + で前方が患者右へ振れます。
この数値で動かす入力した数値どおりに動かします。Ctrl+Z で 1 手で戻せます。
原位置に戻すすべて 0 にして、カット直後の位置へ正確に戻します。
形は変わりません。動かしているのは配置だけで、記録されるのは数値です。何度動かしても骨片の形状は劣化せず、「原位置に戻す」でぴったり元へ戻ります。数値は症例に保存され、開き直しても入力欄に戻ります。

数値の向きは、①で打ったランドマークから作る「患者ごとの基準面」で測ります。上顎は上顎結節(無ければ梨状孔)の左右と歯槽頂、下顎は左右の顆頭(無ければ下顎角)とメントンが基準です。基準面はカットの瞬間に骨片へ保存されるので、症例を開き直しても・点を消しても・術式を切り替えても、数値での移動はずっと使えます。

最終咬合(オペ後咬合)から決める(v23.422)。矯正医が決めたオペ後の上下咬合(咬合位で保存した上下別々の STL 2 個)を⑤の「上顎STL」「下顎STL」で取り込むと、2 つは自動で 1 ユニットになります(どちらを動かしてもまとまって動く)。カット後に「歯列へ整合」を押すと、ユニットが今の上顎(可動骨片)の歯列へ ICP で整合し、下顎遠位骨片との相対位置も記録されます(残差 µm を表示)。あとはユニットを骨格に対する望みの位置へ動かして「骨片を咬合へ」 — 上顎可動骨片と下顎遠位骨片が咬合の歯列位置へスナップし、移動量は⑤の数値へ自動で入りますCtrl+Z 対応・ユニットを動かし直して何度でもスナップし直せます)。
ガムボールで動かしても数値に反映されます。骨片を部品として選んでガムボールで動かすと、その移動量が基準面の数値へ逆算されて⑤の欄に入ります(Ctrl+Z でも追従)。ガムボールで大まかに動かし、数値で仕上げる使い方ができます。
一緒に動かす(最終咬合ユニット)。「一緒に動かす」で相手の部品(例: 最終咬合を組んだ下顎の遠位骨片)を選ぶと、この骨片を数値で動かすたびに相手も同じ変位で一緒に動きます。上下の歯列を一塊として動かせます(Undo も 1 手で両方戻ります)。ガムボールで一塊にしたいときは Shift+クリックの複数選択がそのまま使えます。
マグネットは効きません。外科の骨片とカットラインは、マグネット吸着の対象外です(骨片の位置が勝手に他の部品へ吸い付くと臨床の数値が崩れるため)。

骨性干渉を調べる

「骨性干渉を調べる」を押すと、選んでいる骨片がほかの表示中の骨片へどれだけ食い込んでいるかを相手ごとに mm で表示します(最大と平均)。2mm 以上は赤で表示されます。

干渉部の削除は行いません。実際の手術で削除する量の判断は術者に委ねられるため、本ソフトは測って知らせるところまでを担当します。頂点数が多い骨片では等間隔に間引いて調べ、その場合は「○点に 1 点で確認」と明記します。

移動前の骨を赤の半透明で表示(v23.447 → v23.449) — ⑤の「骨性干渉を調べる」の隣のチェックで、移動前の元の骨(Maxilla / Mandi)を赤の半透明(50%)で重ねられます(当初の赤点線は見にくいとのご指摘で変更)。骨本体は非表示のままで構いません — 移動後の骨片との二重表示で紛れる問題への対応です(元の骨の削除は、ランドマーク・再カット・カッティングガイドの土台になるためお勧めしません)。

⑤ 下顎のオートローテーション

操作系(v23.451) — 「回す角度」は入力すると即回転します(値 = 顆頭軸まわりの累積角・0 を入力すると原位置に戻ります)。「オート」= 接触するまで自動回転。「□移動前」= 移動前の骨の赤半透明表示(v23.449)です。臨床の流れに合わせ、パネルの並びは カッティングガイド → サージカルスプリント の順になりました。

複数の部品を一塊で回せます(v23.445) — 「回転させる部品」はチェックボックスで複数選択でき、下顎系の部品(下顎体部・オトガイ骨片・遠位骨片・下顎歯列など)は最初から自動でチェックされます。「接触するまで自動回転」はチェックした一塊として回り、チェックしていない表示部品が接触の相手になります。骨片は⑥の移動数値もこの回転に追従します(従来どおり)。「この角度だけ回す」は今の姿勢からの追加角です(v23.446) — 押すたび入力した角度だけ一塊で回り、部品ごとの履歴(過去に単独で回した・⑤で戻した等)が違っても全員が必ず同じだけ回ります。累積角はトーストと情報行に表示され、「原位置に戻す」で各部品が自分の累積角ぶん戻って 0 に揃います。

左右の顆頭(①の下顎ランドマーク coL・coR)を結ぶ軸まわりに、選んだ部品(下顎骨・遠位骨片など)を回転します。+ = 閉口方向(オトガイが上がる向き — 向きはメントンと基準面から自動判定)。角度は部品に記録され、「原位置に戻す」で 0° へ戻ります。⑤ の数値移動と併用しても互いを壊しません(差分方式)。

「接触するまで自動回転」は、閉口方向へ少しずつ回して他の表示部品に接触する直前の角度で自動停止します(最大 20°・二分探索で 0.01° 精度)。上顎を上方移動した後の下顎の自然な追従(オートローテーション)を 1 押しで再現できます。

軸には①の下顎ランドマーク(顆頭 左右 + メントン)が必要です。上顎の術式で作業中の場合は、術式を一度 BSSO などへ切り替えて「ランドマークを自動検出」を押してから戻ってください。

カッティングガイド(v23.444)

カットライン周囲の骨表面に沿うガイドを生成します。手順: ①(任意)「スクリュー穴を配置」を押して骨の上をクリック(複数可・Esc かもう一度押して終了・「穴をクリア」でやり直し)→ ②「ガイドを生成」。「対象」で刃を選んでいればその刃だけ、未選択なら全刃分を個別の部品として生成します(BSSO は左右別ガイド)。生成物は部品「カッティングガイド: 刃名」として構成に入り、Export から STL 出力できます(形はその場で保存・開き直しでも復元)。

スクリュー穴の配置(v23.503): 「スクリュー穴を配置」を押すとボタンが押し込み表示になり、配置モードに入ります。取り込んだ元の骨(上下顎とも・非表示でも可)の表面をクリックすると穴が追加され、下に箇所数が出ます。終了はもう一度ボタンを押すか Esc です。④-⑤で動かした骨片は対象外です(ガイドは移動前の骨に座るため)。

数値: 帯の幅(片側・既定 10mm) = カットラインから両側への広がり / 厚み(3mm) / スロット余裕(片側 0.10mm) — スロット幅 = ① 刃体の厚み + 余裕 × 2(v23.499 で ③ の刃厚ではなく登録した刃の実測厚みが基準になりました) / スクリュー穴 径(1.6mm)。内面(座り面)は骨をブーリアンで引くので骨表面がそのまま写り、圧入ゼロクリアランスで座ります。スロットは②〜④で使った刃そのもの(実測深さ)をガイド外側まで延長して抜くため、術中の刃の通り道が計画と一致します。外面はグリッド刻み(約 0.7mm)の段が出ますが印刷・研磨で消えるレベルです。

手動で作る(v23.508・推奨)

骨表面から帯を自動生成する方式は、症例によって関係のない場所に妙な形が出ることがあります。手作業で組み上げる流れをご用意しました。

v23.508 での絞り込み: v23.507 で板は出るようになりましたが、47 万面の毛羽立った塊が下顎まで覆っていました。3 点で絞り込みました。①刃に最も多く触れている骨だけを使う(刃は 120mm 貫くので下顎にも当たっていました)。②骨の内側の面を捨てる — 上顎洞・鼻腔・歯槽窩の壁を外へ押し出すとトゲの塊になるため、外へ抜けるレイが骨に再び当たる面は落とします。③最大の連結成分だけ残す — 帯の縁で切れた小さな島を落とし、板を 1 枚にまとめます。あわせて、押し出しに使う法線だけを平滑化しました(座り面は元の頂点のままなので精度は変わりません)。どの骨を使ったかと板の面数は情報欄に表示されます。

v23.507 での修正: v23.504〜506 は、カットラインの station の「起点 + 向き × 深さ」が骨表面に当たると想定していました。しかし実データを見ると、Le Fort I ではその点は顔のはるか前方の空中にあります。深さの値(120mm)は「骨を確実に貫くための長さ」であって、骨表面までの距離ではありませんでした。そのため空中の線から帯の幅以内に骨面が 1 枚も見つからず、板が作られませんでした(「範囲に骨面がありませんでした」)。

v23.507 からは刃と骨が実際に交わるところを切断線とみなします。①骨の面のうち刃に触れているものを集めて切断面とし、②そこから帯の幅以内の骨面を板の下地にします。骨表面の位置を推測しないので、どの術式でも正しく動きます。カット刃も、実際のカットと同じ刃を全方向へ(板の厚み + 3mm)広げたものに変えました — こちらも位置を推測しません。

板の作り方: 骨の三角形をそのまま法線方向へ押し出します。座り面は骨のデータと 1 ミクロンの狂いもなく一致し、格子を使わないので一瞬で終わります。曲率のきつい凹部では外側の面が重なることがありますが、見た目だけの問題で自動的に正規化しています。

旧版の経緯: v23.504 の「ボス」はカットラインの面を内外へ伸ばしただけの平板で、骨の凹凸にまったく沿っていませんでした(宙に浮きます)。v23.505 で骨表面のオフセットに改めましたが、符号付き距離の等値面(SDF)を使ったため、骨の帯では格子が 1,000 万セル近くになって時間切れで板が出ませんでした。さらにこの方式は座り面まで格子で刻み直してしまい、±0.17mm の丸めが乗ります。

v23.506 からは骨の三角形をそのまま法線方向へ押し出して板を作ります。座り面は骨のデータと 1 ミクロンの狂いもなく一致し、格子を使わないので一瞬で終わります。この方式は最初から骨の外側にしか作られないため、「骨内に埋まった分をあとから削除する」工程も不要です。曲率のきつい凹部では外側の面が重なることがありますが、これは見た目だけの問題で、自動的に正規化しています(座りには影響しません)。

  1. 部品を出す — ⑥ の「骨に沿った板とカット刃を出す」を押すと、選択中(未選択なら全部)のカットラインから 2 つの部品が出ます。
    • ガイド板(水色)— 骨表面に沿った板。厚みがそのままスロットの壁の高さになります
    • カット刃(赤)— スロットを開けるための板。これは平面のままで正しいです(鋸はまっすぐ動くため)。厚みは登録した刃の「① 刃体の厚み」+ 余裕×2 です
  2. 切る — Tool のブーリアンで ガイド板 − カット刃(差)。これでスロットが開きます。
  3. 補強する — スロットで分断された部分がたわまないよう、Tool の円柱正多角形(4 角 = 角柱)で渡しを作り、ブーリアンの和で合体します。渡しは鋸の通り道を避けて、カットラインの端の外側へ置いてください。
  4. 出力する — Export から STL。

板の範囲 — 2 通りから選べます

数値の意味

厚みを変えたいとき: 数値を変えてもう一度ボタンを押すのが確実です(古い部品は削除してください)。出した部品はガムボールで動かせますが、動かすとカットラインとの位置関係がずれるためお勧めしません。
「自動で作る(試験的)」は従来どおり残してあります。うまく出る症例もありますが、上の手動の流れの方が確実です。

使用する刃の登録(v23.499)

ガイドの精度はスロットと実際の刃のすき間でほぼ決まります。v23.498 まではスロット幅を ③ の「刃厚」(= 骨をどれだけ削るかの計画値・既定 1.0mm)から作っていましたが、実際の骨鋸のブレードは 0.4〜0.6mm が普通で、遊びが 0.9mm も生じていました。遊びが大きいと刃が傾き、スロットを出た先ほど誤差が拡大します(厚み 3mm・遊び 0.9mm なら深さ 20mm で 6mm 超)。

そこで ⑥ に「使用する刃」を設けました。 で登録し、 で編集、 で削除します。登録した刃はこの端末に保存され、次回以降もプルダウンから選べます(鋸と造形機は診療室ごとに固定のため)。登録する数値は 4 つです。

刃を選ぶと、その下に精度の見込みが数値で出ます: スロット幅 / 遊び / 刃の傾き / 深さ 20mm での最大ずれ。ずれが 0.5mm を超えると橙、1mm を超えると赤で表示され、「0.5mm 以内にするには 余裕 ○mm、または 厚み ○mm」という逆算値も併記されます。厚み(= スロットの壁の高さ)は誤差にほぼ反比例で効くので、厚みを増やすのが最も確実な改善策です。「ガイドを生成」を押したとき、ずれが 0.5mm を超える設定なら確認が入り、無理な設定(余裕 0・遊びが壁高以上・刃が届かない など)は生成を止めます。

作成したガイドには使用した刃の情報が記録されます(後から「このガイドは何の刃用か」が分かります)。刃を登録していない場合は従来どおり ③ の刃厚でスロットを作りますが、実際の刃より広くなり精度が落ちる旨の注意が出ます。

造形機の較正について: 刃を正確に登録しても、造形機や材料によってスロットは 0.05〜0.1mm ほど狭く / 広く仕上がります。1 台目の運用を始める前に、余裕を 0.05mm ずつ振った短冊を試し刷りし、実際の刃が「スッと入り、こじると止まる」余裕を見つけて入力されることをお勧めします(この較正用の短冊出力は次の版で実装予定です)。
前提: 元の骨(カット前)とカットライン(②〜③、または「カットの記録を開く」で復元した形)が必要です。カット後でも記録から呼び出せばガイドを作れます。

サージカルスプリント(中間・ファイナル — v23.443)

オペ後咬合ユニット(上下歯列 STL)から手術用スプリントを生成します。ファイナルスプリントは今の咬合ユニットの関係(= 計画咬合)で、中間スプリントは「先に動かす顎 = 計画位置 / 反対の顎 = ⑥の移動を打ち消した術前位置」の関係で作られます。既定は上顎先行(マキシラファースト)で、下顎先行の症例は切替できます。1 顎症例はファイナルのみです(中間ボタンは案内を出して作成しません)。

数値は 3 つ: 型の深さ(上下それぞれの咬合面へ食い込む深さ・既定 2mm)/ 開口量(下顎側を咬合の軸方向へ開く量・既定 1.5mm — 0 だと型が浅く穴が開くことがあります)/ 外周マージン(歯列外周からの張り出し・既定 2.5mm)。素材ブロックの外周はグリッド刻み(約 0.8mm)の段が出ますが、印刷・研磨で消えるレベルです。生成物は部品「中間スプリント」「ファイナルスプリント」として構成に入り、Export から STL 出力できます(形はその場で保存され、開き直しでも復元されます)。

前提: 生成時の画面で咬合ユニットが計画咬合の位置にあること(取り込み → 「歯列へ整合」「骨片を咬合へ」の通常の流れならそのまま成立します)。

こんなときは

「対象の骨: 見つかりません」と表示される

骨を「頭蓋」または「下顎骨」として取り込んでいるかご確認ください。この指定のある部品だけが候補になります。

ランドマークが 1 つも検出されない

骨の向きが大きく傾いていると検出に失敗することがあります。一覧の○ をクリックして手動で数点だけ置いてもフィットは可能です(最低 3 点必要です)。

下顎孔・オトガイ孔が検出されない

STL に下歯槽管が含まれていない場合です。残り 5 点でフィットできますので、そのまま進めていただけます。

「骨片に分離できませんでした」と出た

刃が骨を貫通していません。「深さを自動で決める」をオンにしてお試しください。それでも分離しない場合は、カットラインの位置が骨から外れていないか、プレビューでご確認ください。

倍率の警告が出る

左右のランドマークが入れ替わっている可能性が高いです。とくに手動で打った場合はご確認ください。左右が逆でも鏡像にはならず、代わりに縮んだ変換になります。

角の折り曲げが指定した角度にならない

可動範囲の外です。欄の下に表示されている範囲内でご指定ください。範囲そのものを広げたい場合はお知らせください(回転軸を選べるようにする方法があります)。

できること・できないこと(現時点)

できる組み込み術式 7 種の配置と調整(Kole 法はカットライン未登録 — ライブラリ登録形状またはオリジナル術式の上書き登録で使用) / オリジナル術式の作成(面の組み立て・IVRO / Kole 法への上書き登録) / 骨のカット / 骨片の自動分離・命名・保存 / 下歯槽管との距離の確認 / 外科専用ライブラリ / 骨片の移動シミュレーション(数値入力)と骨性干渉の計測
まだできない干渉部の自動削除(測るところまで)/ サージカルスプリントの製作(第 3 段で対応予定)